どうも皆さんこんにちは、ぐりです。
今回は珍しく時事ネタを使ってみたいと思います(野球に興味のない人はゴメンナサイ)。
今メジャーリーグで、アストロズというチームが組織ぐるみでサイン盗みをしていたという事で、大問題になっています。
そしてサイン盗みを実践していた選手達は、ユニフォームの下に電子機器を仕込み、その振動音で球種を把握していたというのです。
このアストロズってチームなんですが、なんと2017年の世界一のチームなんですよ。そりゃあ穏やかな話ではないですよね。
勿論野球においてサイン盗みは御法度なのですが、でもそれって甲子園でも結構問題になってましたよね。なのでこれは結構グレーゾーンであり、今までは「サインを盗まれる方が悪い」という暗黙の見方もあったようです。
でもですね、もうサイン盗みのやり方が、異次元レベルになってるのですよ。
二塁ランナーがキャッチャーのサインを盗んでバッターに伝達(高校野球でも正直あるレベル)
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センター後方にカメラを設置してそれをモニターでベンチ裏に流す。サイン解読したベンチスタッフが、ゴミ箱を叩いた回数で、バッターに伝達。一回ならカーブ、鳴らさなければストレートとかね。(この段階で電子機器を使ってるので、暗黙の了解の範疇は完全に超えている)
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更に進化して、カメラで分析したサインを選手が身につけた電子機器に、振動音で伝えている(アウトどころかゲームセット。※アウト27回分の悪行)
・・・3番に関しては、これがサッカーだったら、コナン君の麻酔銃とキック力増強シューズを履いてるようなもんです。※麻酔銃いらんやろ(笑)
野球を知らない人でも、「禁止されてるルールがある事に対して、電子機器で情報を仕入れて、更に電子機器で選手に伝えてる」ってのは100%アウトって言うのは分かりますよね。でも当人達からすると、そんな事すら見えなくなってるんですね。
「俺たちは世界一になるんだから仕方のない事なんだ!!」ってね・・・
こういう「正しいことをしてるのだから、少しぐらいの悪い事は許される」って性質の事をモラル・ライセンシングと言います。
勿論サイン盗みなんて正しくも何ともないのですよ。でもこれがモラル・ライセンシングの恐ろしい所で、「正しいことをしよう」と思っただけで、実際に正しいことをやっていないにも関わらず、誘惑に弱くなってしまうのです。
これって日々の社会生活でもないですか?出張中に手持ちのお金がないからって、
なんてのたまってる人。いいから一食分くらい自腹で出せや(笑)。
今回はそんなモラル・ライセンシングに陥りやすい人の特徴と、そこから脱却する方法を考えてみようと思います。
①モラルが高い人ほど陥りやすい
それでは本題に入りましょう。皆さんはこんな質問をされたらどう感じますか?
- 殆どの女性は本当に頭が良いとは言えない
- 殆どの女性は外で仕事をするよりも家で子供の世話をする方が向いている。
この質問に対して「全く反対」「やや反対」「やや賛成」「全く賛成」の4択で学生アンケートをとる実験を、とある大学で行いましたが、やはり「全く反対」と答えた人が多かったようですね。そりゃそうだ。
ところが、この後「模擬面接実験」を行い、いかにも男性社会と思える職種(建設や金融の管理職)の採用面接官になったつもりで、適正ある人を選んでもらったのですが、先程の質問に対して「女性が頭が悪いなんてとんでもない!」と強く反対した人ほど
「こういう仕事は男がやるもんでしょ」
という判断をしたそうです。
これは結構有名な実験だそうで、「人は一旦意見を表明したら、その後もその意見に従って行動したがる」という心理学の常識を覆したそうです。だって偽善者扱いされるのなんて、イヤでしょうからね。
しかし、こと善悪の判断に関しては人は道徳的に完全にありたいなどとは思っていないのです。だから少し良いことをすれば、今度は自分の好きなようにして行動してもいいだろうと思ってしまうのです。
上記の実験でも、人種差別的な意見にきっぱり反対を表明した学生達は、すっかり良い事をした気分になってしまったのでしょうね。別に「金融は男がやる仕事だ」なんて思っていないのでしょうが、上述太字の罠に引っかかり、注意深く判断できなくなってしまったのです。
このモラル・ライセンシングの困る点は、世間一般でモラルが高いと思われる人達(牧師・政治家・NGO団体等)ほど、上述太字の思考が強くなるとの事。試しに「NGO 闇」とかで検索して見て下さい。ボランティア程度では全く帳消しできないレベルの悪行三昧ですから・・・
②どうすればモラル・ライセンシングを防げる?
という訳で大小の差はあれど、無垢な学生さんでも、一部の極悪なNGO団体でも誰でもモラル・ライセンシングは起きてしまうのです。これを防ぐにはどうすればいいのでしょう。
②-1.問題を区別する
まずは一つ目です。モラル・ライセンシングの罠を避けるには道徳上の問題と単にする事が難しい事を区別する事が重要となります。
税金をごまかしたり、浮気をするのは道徳的に悪い事ですが、ダイエットをさぼるのは別に悪い事でもなんでもありません。でも多くの人はあらゆる種類の自己コントロールを道徳のテストみたいに考えてしまうのです。
誘惑に負けてデザートを食べたり、寝坊したり・・・これってそんなに悪い事ですかね?
これらの目標が達成できなかったときは
「単純に難しかったんだな、てへぺろ😜」
と、お茶目な自分を許してあげましょう。
これを「俺はまだまだ自分に甘い!」なんて言ってると、仮に明日克服できても、果たして一週間後継続できてるでしょうか?きっとまた誘惑に屈した自分を守る為にこんな事、思うんじゃ無いですか?
・・・と、めでたくモラル・ライセンシングのできあがりとなる訳です。
②-2.楽しいからやってるんでしょ
続いて二つ目です。こっちの方が重要かもしれないですね。
モラル・ライセンシングというのは、つまるところ「本当の自分は弱くて悪い人間なんだ」と思ってる人が陥る、アイデンティティの危機なのです。
そう考えていると、良いことをした自分に対して
「本当は悪い奴なのによく頑張った」
と、ごほうびを上げてしまいたくなるのです。
そして自制心を発揮する事が
「俺は弱くて悪い奴だから、辛いけど耐えなくちゃ」
と、まるで罰則みたいになってるのが問題なんですね。
だからなるべく自分の行動は「好きだからやってるんだ」と主体的に思える行動を心がけた方が良いですね。
例えばダイエットしてるのであれば
・・・て思えるかどうかですね※普通思えません
まあ、ここまで思わなくても(笑)、自分の好きでやってる行動(主体的な行動)を、一つでも増やす習慣を持ってみましょう。
今回の参考文献はこちら
③最後に
という訳でモラル・ライセンシングのお話でした。これの怖いところは、悪い事をしてても、無理矢理正当化してしまうので、悪さの際限が無くなってしまうところです。アストロズのサイン盗みみたいにね。
この対策として私が個人的に推奨したいのは、全ての行動基準を
「カッコいいかカッコ悪いか」
で判断することです。それが世間的に正しかろうが悪かろうが、自分が「これやってる俺カッケエエエエエエ!!」って心から思えれば、何だってやってみればいいし「カッコ悪っ!今の俺カッコ悪っっっ!!」と思うような事はやらなきゃ良いのです。
あらゆる基準をこの2択にするとシンプルで生きやすくなりますよ。
それでは今回はここまでです。最後まで読んで頂きありがとうございます。