皆さんは今の日本で一番競争率の激しい職業と言ったら何を想像するだろうか。
スポーツ選手?アナウンサー?声優?
色々あるのだろうが、私は最近イラストレーターが日本で一番難しい仕事なんじゃないかと思ってきている。何が厳しいって、絵がクソ上手いのが最低限の条件って事だ。
語弊があるかもしれないが、漫画家だったらカイジのように絵がヘタでもストーリー作りが上手ければ何とでもなる。
でもイラストレーターはそうはいかない。戦えるステージが絵以外ないんだもんな。
ここで私が即興で描いたアニメキャラのイラストを晒そうと思ったが、残念ながら当ブログは全年齢対象だ。人類の禁忌に触れる画像を晒す訳にはいかないのだ(笑)
それはさておき、そんなレッドオーシャンの中で売れるイラストレーターって、You Tube配信で成功してる人が、そのまま人気に繋がっているような気がする。
そういう人達に言える共通の特徴が、本業と全く関係ない事に挑戦している事だ。ゲストを沢山呼んで場を回すのがめっちゃ上手だったり、中には歌ったりするイラストレーターもいたり、とにかく枠にとらわれない。
想像なのだが、本業と全く関係ないチャレンジをすることで、考えもつかなかったキャラクターの表情やしぐさが、閃くんじゃないか。
だって『「ガオー」って女の子が両手を上げるポーズが可愛く見える』って閃いた人って、マジで天才だと思わん?普通の感性じゃ絶対思いつかんぞ。ただしこのポーズは誰がやってもいい訳ではない。「賛美」が「憐憫」に変わるから要注意だぞww
という訳で、こんな前振りをしたのは、今我々に足りないのは「創造性」なんじゃないかとこの本を呼んで思い返したからである。
創造性というのは、業種や職種とはまったく関係ない。勿論、小説やマンガ、映画といった、いわゆる作品をつくる力のことでもない。
意志のある人生を送る。モノや体験をつくりイノベーションを起こす。国が抱えているような大きな問題を解決する。
……こうした大小さまざまなところで発揮される「未来をつくる普遍的な力」こそが創造性なのだ。
- こんな俺でも誰かの役に立てているはず
創造性を持つことで、たぶんこの自信が手に入る。こう思えるのと思えないのとでは、人生はまるで違うものとなる。
20代の頃、この本を読んで大分救われたので、この本から創造性を引き出すメソッドを2つ紹介したい。
モーニング・ページ
創造性を掘り起こす重要なメソッドは、全部で2つ。その1つ目がモーニング・ページだ。簡単に説明すると以下の通り
- A4のノートを用意する
- 毎朝起きてすぐ3ページ書く
- 書く内容はなんだっていい(脳の排水)
- 絶対に人に見せてはいけない
とまあ、至ってシンプル。
このブログでは何回か紹介している「思考の記録化」という事だが、この本が出たのは1992年。恐らくこの本が思考の記録化のご先祖様に当たると思う。
ポイントは3番だろう。本当に何を書いても良いのだ。何も思い浮かばなかったら「何も思い浮かばない」とA4ノート3枚にびっしりと朝一で書くことが重要なのだ。
この行為に何の効果があるのかというと、理性脳を黙らせる効果があるのだ。
理性脳がいたお陰で、人類は地球の覇者として君臨している。「あそこに近づいてはいけない」「あいつに逆らってはいけない」etc‥。でもこれはあくまで生き残るために必要な脳だ。幸せになる為の脳ではない。
著者は幸せになるためには「アーティスト脳」が必要不可欠だという。思いついたり試したくなったり、真似したくなったりする冒険の脳の事だな。大体失敗してしまうのだが、たまに良いことがあってそれが凄い幸せだったりする‥。これがアーティスト脳の役割だ。
人は理性脳とアーティスト脳をバランスよく使い分ける事で、潤いのある人生を送れるものなのだが、バランスなんて何一つとれちゃいねえ(笑)。恐らく
理性脳:アーティスト脳=10:0
の人がほとんどじゃないか。9:1ですらないだろう。プールの水は消毒のために塩素水を微量混ぜているが、今の我々は塩素水100%のプールの中で生きてるようなもんだ※それは塩酸ww
「アイドルに恋なんかしても無駄だ。普通に同じステータスの男と付き合うに決まってるだろ」
「小説家になりたい?ほら、また句読点の場所間違えてる。まずはまともに文章かけるようになれよ」
と、常に意地悪な批評家である理性脳は、生き残るために必要な合理性を求めてくる。
でもはっきり言おう。理性脳の繰り出す否定的な意見は真実ではない。物心つく頃から親や学校から刷り込まれてきた、量産型ザクになる方法だ。ガンダムにぶっ飛ばされて「ああああ火が!か、母さん!!」と塵になっていくしかない悲しい生き方なのだ。
理性脳が必要ないとは言わないが、せめて比率を7:3くらいまで持っていかないと、生きづらくて仕方ない。
そんな口やかましい理性脳を少し黙らせる為に、騙されたと思って1回朝起きてスマホを見る前に、A4ノートいっぱいに思った事全てを書き出してみてほしい。不思議な事に朝一から理性脳がヘトヘトに疲れて黙り込んでしまうのだ。文字化された情報を理性脳が確認する事で「さすがに、俺否定的すぎるかな」と反省(?)する効果を得られるのが、モーニング・ページの強みなのだ。
アーティスト・デート
続いて2つ目の創造性の引き出し方。これは週に1回探検とか遠足に行くという、なんとも少年チックなメソッドだ。簡潔に説明すると以下の通り。
- 週に1回探検か遠足に行く
- 必ず一人で行く
- 予定を立てて動かさない
- 「なりたかった自分」を思い出して探検に行く
これまでやった事のないこと、子供の頃にしたかった事や憧れていた職業に係る場所、逆に自分とは絶対に縁のない場所等々に、週に1回1~2時間程度でいいから探検しようというメソッドだ。
あくまで探検だから、別にそこで成果を出す必要はない。スポーツジムに行ったからってスポーツ好きになる必要もなければ、図書館に行ったからって本を借りる必要もない。
ただし絶対に一人で行くこと。これは自分が楽しむ為の探検ではない。自分の中に眠っているアーティスト脳を楽しませるための接待行為なのだ。他人なんかに構ってる暇はないのだ。
このメソッドで最重要ポイントとなるのは、3番の「予定を立てて動かさない」にある。敢えて出かける日時を決めて、それを何よりも優先させるのだ。会社の接待よりも家族サービスよりもアーティストデートを優先させる事に意味がある。
これは何をしてるのかというと、いちばん大切なのは自分なんだとアーティスト脳に刷り込ませられる効果がある。「仕事よりも家族よりも一番自分が大切なんだ」と脳に叩き込むのだ。
これって凄く大事だよね。自分を粗末にする人間は、自分との約束を簡単に反故してしまう。それが楽しむ約束ならまだしも、自分を律する約束(勉強・運動)まで平気で反故するようになる。だから挑戦も成長もせず歳だけとっていく。
そして抜かしやがるのだ「俺はお前の為に頑張ってきたのに!」‥‥うっさいわボケ!なんか書いてて腹が立ってきた(笑)
おそらく冒頭に紹介した売れるイラストレーターというのは、アーティストデートが知ってか知らずかできているのではないだろうか。自分の未知の世界、もしくは昔やりたかった事に挑戦する事で、本職のイラストにも良いインスピレーションを与えていく。
この考え方は、クリエイターでなくても誰もが活用できる筈だ。
最後に
という訳で、久しぶりに真面目に書籍からメンタルコントロールの紹介をしてしまった。最近本能のままに、書きたい事ばっかり書いてたからな。
頭の中が「~しなくちゃいけない」「~してはいけない」とMustとDon'tばっかりだった人は、試しにやってみてもいいと思うよ。ただし羽目外しすぎて炎上とかしない程度にね。俺のせいにされても全力で知らんぷりするぞ(理性脳)
ちなみに私が今これをやってるかというと、正直やってないww
フリーランスになると、自然にアーティスト脳の方が活発になるのだ。むしろ理性能をもっと呼び起こさなければと、方法を模索中だ。
その内ブログで
【借金】1億借りてネットカジノやってみた
とか上げて、大失敗したら「ずっとやりたかったことをやめなさい」って本を自費出版しようと思ってるwww